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Vol.10

「帰らざる愛の日々」


 お母さんの口から出た、『離婚』という言葉を聞いて狼狽する由真。「どうして お父さん会わせたりしたの?」と真尋を責めます。

「お父さん、行かないよね。このうち捨てないよね。」

「由真、お父さんは、どうしても、どうしてもなんだ。」

 お母さんは無言でコートを着て、止める真尋の手を振り払って出て行きました。


 翌朝、真尋は会社で五嶋課長が香港支店に異動になると中鉢君から聞きます。


 病室。退院の準備をした五嶋課長、鍵の束に見知らぬ鍵を一つ、見つけます。何だっけ? それは千香子と別居する為に借りたアパートの鍵。

 病院の廊下を歩いていると、小さい女の子のリュックに付いた鈴の音が耳に入り、ハッとします。京都の塔の下の映像が頭をよぎります。


 藤谷家では、お父さんは由真の制止を振りきり仙台へ発ちました。


真尋は部長に呼ばれ会長室へ。そこには、千香子がいました。「彼女のお父さんには随分世話になっててね。」と会長。千香子は父親には言えず、この人に相談したのでした。五嶋課長の香港行きは千香子の希望でした。

「五嶋君とはあまり接触しないように。」と部長。「頼みますよ。君の為でもあるんだ。」と会長。真尋は「はい。」、としか言えないですよね。


 お母さんは夕方の港が見える丘公園に。親子連れを見て真彦と真尋の小さい頃を思い出します。


 真尋がアパートに帰ると、お母さんが待っていました。

「どうしてあんな事したの? あたしのこと そんなに嫌い?」

「あたしはただ・・あの子とお父さんを会わせてあげたかったの。」

「真尋は、お父さんとお母さんがどうして離婚しないのか、てずっと思ってたでしょ。でもね、あなた達には お父さんは一人しかいないの。誰も代わりはできないの。それはね、あたしにとっても同じなの。・・あたしにとっても、夫は一人なの。真尋達の為にだけ、耐えてきたわけじゃないの。

「・・お母さん・・。ごめんなさい。」

 真尋は、仙台の人はお父さんが自分の事を憶えていて会いに来てくれたら それで気が済むと思う、お父さんも私たちを捨てる気じゃないと思う、と言います。

「だから今は、お父さんのこと 信じよう。

 帰って一緒に待とう。」


 仙台。小料理屋でお父さんは神田親子と再会。食事して店を出ます。言葉少なく、時間も短く、て感じでしょうか。

「じゃ。」

 お父さんの背中を見送る母子。

「お父さん!」真治がかけ寄ります。

「お父さん・・・来てくれて、ありがとう。」

 抱き合う父と息子。それを見て涙を流す真治の母。サザンがかかりますが、正直言って合ってないです。ここはやっぱり、演歌でしょう!



 真尋はお母さんを連れて藤谷家に。

 根岸駅でずっと待ってた由真、お父さんの姿を見つけ かけ寄ります。

「お帰り。」お父さんの腕に掴まります。

 家に着くとお父さんは皆に「・・いろいろ、すまなかった。」

 二人の生活の面倒を見てあげようと思う、と話します。

「真治を認知しようと思う。よく似てるんだ。真彦が大人になってたら、こんな感じかなぁ・・。」

「やめて! 真彦の代わりは誰もできないわ!」(お母さんとしては、こんな無神経な事 言われたら たまりませんよね。)

「仙台と行ったり来たりするの?」と由真。

「そんなつもりはない! ただ責任を取りたいんだ。」

 納得できない、甘えないでください、と怒るお母さん。

「どうして みんなで仲良くできないの? みんな好きにすればいいんだよ!」と由真は二階にかけ上がり、おばあちゃまがそれを追いかけます。

「明日・・離婚届を取ってきます。」

「どうしてもか?」

「あなたも・・どうしても仙台なんでしょ。」

「お母さん離婚なんて・・お父さんお金のこと言ってるだけなのに・・。」

「真尋・・部屋借りるわよ。」とお母さんも二階へ。

 二人だけになった真尋とお父さん。お父さんは由真から五嶋課長の事を聞いていて、真尋に「いつでも戻ってこい。」と言うのでした。

「ありがとう・・。」

「大変だろうけど、頑張れよ。」


 マンションに戻った五嶋課長。急な香港行きに驚いていました。千香子は一緒に行く、と嬉しそう。「明日早く帰ってきて。」一緒にちらし寿司を食べよう、と。

 五嶋課長は鍵の束を取り出し、「この鍵何だっけ?」「うちのトランクルームの鍵。明日使うから貸して。」

 夜、寝室で五嶋課長は千香子に「チカ・・いろいろ心配かけて、ゴメンな。」と優しくキスをしました。千香子は思わず泣いてしまいます。二人はそのまま抱き合うのでした。

 真尋は千香子に部屋を引き払うと言われたので片付けをしていました。

 五嶋課長の誕生日に撮った写真を見て涙を浮かべます。(うっ・・かわいそすぎる・・)



 翌朝、真尋が出社すると五嶋課長のデスクの上に鞄が。向こうからやって来た五嶋課長に「おはようございます。」

「もっと早く来い。三年目だろ。自覚を持てよ。」

 言いながらスッと通り過ぎるのでした。


 庭の桜を見つめるお母さんに、「いくら見ても咲かないよ。」と由真が言います。家族がバラバラでお兄ちゃんが悲しんでいるんだ、と。



 会社の廊下で五嶋課長は真尋とすれ違う時、の音を聞きました。思わず立ち止まります。真尋は振り返り、呼び止めました。

「課長 ! ・・五嶋さん・・・。」

 ちょっと驚く五嶋課長。

(この展開ってハリソン・フォードの『心の旅』に少し似ているような・・。あちらは忘れてしまった不倫関係の方は終わってしまいますが。)


 マンションには五嶋課長が可愛がっていた猫が帰ってきました。彼女を連れて。それを見て千香子は喜びます。前は猫のこと嫌ってたんだけどねー。


 真尋は五嶋課長をSweet Seasonに連れて行きます。彼は店のことも憶えていません。「なかなか来ないから喧嘩でもしちゃったのかと心配したよ。」とマスター。びっくりする五嶋課長。

 真尋はジュークボックスで『Sweet Season』をかけます。

「この曲・・懐かしいなぁ・・。」

「お願いです・・踊ってください。」

「藤谷・・俺は何を忘れてるんだ?」

「本当に・・本当に忘れちゃったんですね。」

「何があった? 教えてくれ。俺と藤谷に何があったんだ?」


 ちらし寿司を作って、猫を抱きながら五嶋課長の帰りを待っていた千香子、気になって会社に電話してみます。五嶋課長は真尋と退社したと聞き中鉢君を呼び出します。

「ねぇ、今からこっちに来て。あなた、藤谷さんとヨリ戻したいんでしょ!? 本気で好きなら、死ぬ気で取り返すもんでしょ!」

 中鉢君は会社を飛び出して行きます。


 真尋は五嶋課長とアパートへ・・。千香子はアパートに向かって走ります。

「ここで・・俺と君が?」

 部屋には五嶋課長の指輪やパスポート、バースデーの写真が。真尋は初めての旅行に誘ってくれたメモを見せ、京都で買ったも見せます。

「京都・・五重塔・・。」

「そう! 五重塔の前で買ったの! 」

 何か思い出せそうな気がすると言う五嶋課長に、今から京都に行こうと言う真尋。

「それでダメなら・・あたし諦めるから。行こう。京都に。」

 真尋の運転で車が出るとすぐ、千香子が走る車の前に飛び出します。急ブレーキ。両手を広げて立ちはだかる千香子の体すれすれに車は止まりました。

「大丈夫か?!」車から降りてきた五嶋課長に千香子は「何か・・思い出したの?」

「京都・・京都行けば・・何か思い出すんじゃないかって・・。」

「そう。」

「ちょっと待ってて」と言い、千香子は真尋に怒り出します。

「降りなさい!!」(かなり怖い)

「チカよせ! 藤谷が悪いんじゃないよ。」

「今度こんなことあったら、許さないわよ!」

 そこにバイクに乗った中鉢君 到着。二人が乗った車を見送り泣く真尋。


「チカ・・俺と藤谷のこと本当なのか?」

「あたしが知ってるわけないじゃない。不倫なんて、妻に隠れてするものでしょ。」

 戻ってきた猫を見て喜び、抱く五嶋課長。猫の首にはあのが・・。さっきの真尋に見せられたを並べて見てみる。

 その時、全て思い出したのでした。

 怖い目で、千香子を見ます。

「何やってんだ? 俺は・・。」


「本当バカだよねー。忘れられちゃうなんて。」

「お前も忘れろよ! しょーがないだろ! もう忘れろ!」

「どうやったら忘れられるの?!」真尋は泣いてます。

「忘れたいよ・・こんなに苦しい・・」

 もう泣くなと抱きしめる中鉢君。「俺がいるだろ。」

 五嶋課長はマンションを飛び出し走っています。アパートに向かって。千香子は呆然していました。涙を流しながら。

 中鉢君は真尋にキスを・・。



 ここは押すしかないです。チュー君。中鉢君をたきつけて呼び出すあたり、千香子は賢いですね。男はこんな状態の女の子を見るとガンガン押すものです。なぜだか知りませんが。

 私、二人が京都に行くのだと思ってワクワクしたんです。でも千香子に止められてガックリ。夜通し車を走らせて京都へ・・なんて、いいのになぁ・・。

2002/10/3



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